May 31, 2010
リークがうるさくて仕方がない
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[東京 13日 ロイター] 円高進行にもかかわらず日本株が底堅さをみせている。国内サプライチェーン再開などによる震災からの回復で国内景気は下期以降に持ち直すとの見方が崩れていないためだ。年初来高値を更新した内需株も少なくない。
リスク回避の円高加速、日本株には底堅さ:識者はこうみる
日本株の底堅さはドル買い戻しにつながり、円高一服が輸出株を下支えるという相乗効果も生み出している。ただ欧州債務問題や米経済減速への不安感は依然強く、電力不足懸念や政治の不安定さもあって、積極的な日本株買いが広がる状況にはなっていない。
<年初来高値を更新する内需株>
13日前場の東京株式市場では東証1部の34銘柄が年初来高値を更新した。山崎製パン<2212.T>、ビックカメラ<3048.T>、ファーストリテイリング<9983.T>などほとんどが内需株だ。ニトリホールディングス<9843.T>なども高値を更新するなど円高メリットを好感する動きもあるが、国内景気回復への信頼感が崩れず、企業業績回復への期待が維持されていることで「海外と国内の投資家から内需株を中心に押し目買いが広くみられた」(米系証券トレーダー)という。
2012年3月期の企業業績見通しは、震災で「スタート台」が低くなったこともあり今後上方修正される可能性が大きいとの見方が市場に多い。6月日銀短観で企業の経常利益(全規模)は、3月短観と比べると上期は10%以上の下方修正となったが、下期は13%近い上方修正だ。「下期以降の業績上方修正もある程度織り込まれたとはいえ、逆に言えば景況感が大きく悪化しない限り、現水準から日本株も売りにくい」(コスモ証券本店法人営業部次長の中島肇氏)。
直近の国内景気指標は悪くない。5月の鉱工業生産速報は自動車の回復がけん引し、上昇幅は2005年基準で過去最大。6月の景気ウォッチャー調査でも、景気の現状判断DIが震災前の水準を上回り、上昇幅は統計開始以来最大となった。
「当初見通しを上回るペースで修復している」──日銀の白川方明総裁は12日の政策決定会合後の会見で、東日本大震災によるサプライチェーン(供給網)寸断の修復を評価足元の景気は持ち直しているとの認識を示した。
6月日銀短観における2011年度の為替相場の前提は1ドル=82.59円。80円を割り込む足元の円高は輸出株を中心に業績圧迫要因になるとの懸念もあるが、三菱UFJ投信・戦略運用部副部長の宮崎高志氏は「グローバルな景気持ち直し期待が崩れたわけではないため円高リスクも限定的だ。今期だけでなく来期以降の企業業績回復も視野に入れれば売り込みにくいだろう」と述べる。
中国の第2・四半期国内総生産(GDP)は前年比プラス9.5%と市場予想(9.4%)をわずかながら上回った。「金融引き締め観測をそれほど強めない絶妙な数値」(準大手証券ストラテジスト)となり、上海総合指数もプラス圏で推移している。
日本株の底堅さはリスク回避の後退につながる。円高が止まることで日本株を下支え、堅調な株価がドル円を上昇させるという相乗効果も生み出している。「どちらが卵か鶏かはわからないが、円高一服と堅調な株価が相互に連動している格好だ」(大手証券トレーダー)。
ただ商いは依然薄く、前場の東証1部売買代金は5238億円と1兆円をやや超えるペースにすぎない。「ヘッジファンドは売り買いきっ抗。商いが薄いので国内勢のリバランスもままならない」(前出の大手証券トレーダー)。イタリアまで広がった欧州債務懸念や米景気減速懸念などは払しょくされておらず、底堅いとはいえ、電力不足懸念や政治の不安定さを抱える日本株を積極的に買う海外勢は乏しいという。
<ドル80円割れ長期化なら輸出企業に痛手>
またドル80円割れが長期化するとの見方も出てきた。「80円を早期に回復できれば78.48円は下ヒゲで終わり、80円を下値とするこれまでのレンジに戻れる。しかし、回復できなければレンジを切り下げる可能性が出てくる。きょうの上値の重さを考えると、80円割れは長期化しそうだ」(国内銀行)という。
ドル/円は早朝に78.48円まで下落し、東日本大震災後に記録した過去最安値(76.25円)以来、約4カ月ぶりの安値をつけた。ストップロス主導の円高だったため、目先のオーダーをこなすと下げ止まり、ドル/円は間もなく戻りに転じた。輸入企業による値頃感からのドル買いや、個人の押し目買いが入ってドルは79.55円まで約1円切り返したが、市場が注目する80円には手が届かず、79円半ばで伸び悩んでいる。
80円割れの円高が定着すれば、生産回復で輸出増加を目指す自動車業界などにとっては痛手だ。日産自動車<7201.T>の志賀俊之最高執行責任者(COO)は12日、1ドル80円が定着しているのは大変厳しいと指摘。「この為替水準で採算にのせるのは厳しく、私自身『ミッション・インポッシブル』のような課題に挑戦しているような気持ちだ」と話した。
原油など輸入価格を抑えられるメリットも円高にはあるが、日本は依然として外需主導の経済構造との見方も多く、円高の長期化は空洞化を含めた懸念を強めかねない。
<マーケットの慎重ムードは継続、円債先物はしっかり>
マーケットの慎重ムードは続いており、国債先物は続伸。欧州債務問題が一段と深刻化する中、海外市場で「逃避買い」が進んだ流れを引き継いだ。ただ、前日までの2日急伸で投資家の間には高値警戒感も強まっており、上値追いの勢いはなかった。中心限月9月限は、現物債に戻り売りが出たことをきっかけに、一時マイナス圏に沈んだ。
現物債は長期ゾーン以降、ほぼパラレルに金利低下。10年ゾーンは朝方、銀行の売りで重さが目立ったが、年金勢の買いで切り返した。長期金利をめぐっては「1.1%割れの水準では戻り売りが出やすい」(国内証券)との見方が多い。超長期ゾーンもしっかり。生保とみられる買いが観測された。一方、あす入札を控える5年ゾーンの金利低下幅は限られた。
SMBC日興証券チーフ債券ストラテジストの野村真司氏は、きのうの欧州時間に入ってからの動きについてはパニックと指摘。「イタリアについては、ストック面ではもともと日本かイタリアかと言われていたが、フローでは改善傾向にある。不動産バブルが発生したわけでもなく、ユーロ圏第3の経済大国でもあり、これがギリシャやアイルランド、ポルトガルに連なるというはやはり非現実的」と述べる。
そのうえで日本の金利について「よくよく振り返れば日本の財政も他人のことを言えず、一番悪い。財政再建の動きも進んでおらず、1.1%割れを恒常的に維持するのは難しい」と話している。
(ロイターニュース 伊賀大記 編集:宮崎大)
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